節税より大切なこと

 節税は経営者にとって関心がありますが、会社のお金がそのために流出していきます。節税は節税初年度に課税を繰り延べるだけで、いずれ本来支払うべき税金はしっかり来ます。初年度の税金の金利が浮くだけです。金利も低金利で大したことはありません。なんでも程々です。
 それよりもライバル同業者で利益の5倍や10倍利益を出している企業もあり、そのようなライバル会社からすれば利益の5分の1、10分の1しか出でいない小さな会社が節税を実行する事態、おこがましいことこの上ないです。
 先日、京セラの稲森会長が亡くなりましたが、稲盛会長は内部留保の目標は「売り上げの3年分の現金」とおっしゃっていました。この3年分はすぐ無理としても「売り上げの半年分の現金」が当面の目標と思われます。これから売り上げの半年分の現金を用意するには5年から7.8年はかかります。しかし、現金を持っていれば会社が窮する場合や他社に先駆けて先行投資する場合、大いに役立ちます。しかし、この現金の内部留保がないと金融機関のサジ加減で存亡が決まったり、ライバルとの差を開けることはできません。


 

ダム式経営

松下幸之助が経営は「ダム式経営だ」いつも述べていました。農業で行ったら日照りは必ずある。その時に自分で貯めてダムから水を放出して日照り対策をする。

経営も一緒で、不景気や今回のコロナ等思いがけないことで潰れそうなことが必ずあります。その時に会社で貯めていたダム(現金預金)を放出して救済を図る。もう一つは他社に先駆けて先行投資をする。この時も会社のダムから放出して先行投資をする。
もし、会社のダム(現金預金)が無い場合、以上の2つに関して金融機関頼みになり、倒産するかしないか、他社との競争に敗れるか、金融機関のさじ加減で決まります。
内部留保(現金預金)を多くするためのコストが税金になります。例えば、税率をわかりやすく30%とすると、
課税所得が1,000万円だと 税金は300万円 内部留保金額 700万円
     1億円で    税金で3,000万円 内部留保金額7,000万円
同じ会社で ある年で所得が1,000万円だと税金は300万円、翌年1億円で税金は3,000万円になります。税金だと10倍になり大変と思いがちですが、内部留保も10倍の7,000万円になります。同業種で所得1億円の企業から見て、1,000万円の企業が節税を考えていたら笑われてしまいます。
 新規で取引を考えている場合、帝国データバンクや商工リサーチの興信所に調査依頼をします。この場合、内部留保が高い企業と低い企業では取引条件が異なります。売った代金を支払ってくれるか心配なところには、初めから取引はしません。内部留保の高さが信用力の目安にもなります。
 

 

本田宗一郎の講演

本田宗一郎が浜松の自動車整備工場から、原付のバイク、四輪車へと開発し、時代の寵児としてその話を聞くためにイベントコンサルタント会社が講演会を温泉地で開催しました。参加費用はその当時20万円くらいの大金。
全国から話を聞きに、中小企業の経営者がその温泉地にやってきて、参加者は温泉に入って浴衣を着て本田宗一郎を待っていました。
本田宗一郎は、上下の作業服で現れ会場を見回し、開口一番「皆さんは、何をしに来たんだ。大金を払い温泉に入ってもうけ話を聞いて、その後、美味しい料理と酒を飲んで、二日酔いになりながら帰っていく。馬鹿じゃないか。そんなうまい話があるわけがない。そのたるんだ甘さがあるから、あんたらの会社が伸びないのだ。ライバルはこの時間も必死に働いている。」参加者の甘さと開催者のばつのわるさが際立った講演でした。
今でもこのような講演をセッティングしている会社はあります。自己責任ですが注意が必要です。

会社分割

平成29年10月1日以降、会社分割等で、継続要件等、適格分割、適格合併の規制が緩くなりスピンオフ税制スクイーズアウト関連税制の創設になり、不採算部門を分割して、分割法人を作り、承継法人を残して、分割法人を解散、売却が可能になりました。

確定申告

今年も個人の確定申告が始まります。改正点ではセルフメデュケーションが新たに新設され、、医療費控除と選択によりインフルエンザの予防接種やがん検診、特定一般医薬品(スイッチOTC医薬品)が対象品目となりました。
 算式 その年中に支払った一般用医薬品等購入費の総額-12,000円=セルフメデュケーションの医療費控除額(最高88,000円)

楽天、朝日火災海上の買収 449億円で

楽天は、野村ホールディングス傘下の損害保険会社、朝日火災海上保険を買収すると発表した。TOBにより30日から3月13日まで実施する。野村HDの保有株式の75%を下限として、全株取得を目指す。買い付け価格は一株当たり2,664円、買い付け金額は約449億円

セブン&アイ、米コンビニの事業取得完了 3452億円

セブン&アイホールディングスは米国の中堅コンビニエンスストアを事業取得と発表した。スノコLP(テキサス州)から23日付けでコンビニやガソリンスタンド小売り事業を取得した。取得価額は31億1,400万ドル(3,452億円)